元有安さん推しが有安さん卒業以来にももクロのライブに行った日


もともと有安杏果さん推しだったオタクが2018年1月の有安さん卒業ライブ以来に、2022年4月23日「ももクロ春の一大事2022」でももクロのライブに行った記録です。


  • オタク来歴

もういまは消されてしまっているようですが、当時YouTubeにアップされていた「ももいろクローバーに全く興味のない人でも応援したくなっちゃう動画」を好きな漫画家さんがリツイートされていて、それを見たのがももクロを知ったきっかけでした(たいへん愛にあふれていて大好きな動画でした、これを見てファンになった人はかなり多いのでは)。まだあかりちゃんが脱退発表をする前だったと思うので、2010年の終わりごろだったのでしょうか。

きっとアイドルオタクの界隈内ではもうとっくに話題になりつくしたあとだったと思うのですが、当時まだそれこそアイドルに全く興味がなく、まんがアニメのオタクだったわたしに届いたのはものすごいことだなあと今となって思います。


はじめに『怪盗少女』のMVを見てあかりちゃんをとてもきれいな女の子だなと思い、つぎに『ココ☆ナツ』のMVを見て杏果ちゃんがかわいくて、いろんな動画を見あさっていくにつれて杏果ちゃんが目を離せなくて心配でかわいくてたまらない女の子になっていきました。

その後も在宅で追いかけながら2012年秋の女祭りのライブビューイングではじめて現場らしい現場に行き、2013年の西武ドームの春の一大事でついに現地に行き、そこからは毎日情報を追いかけ、グッズはそれなりに買い、かならず大箱のライブには行くような、当時よくいたタイプ(と勝手に思っています)の杏果ちゃん推しのモノノフになりました。


こんなに足しげくライブに行くようになるきっかけも、はじめての遠征もももクロだったし、わたしのなかで歌詞がただの言葉の羅列ではなく、この子たちそのものみたい、とか、自分の気持ちそのままみたいだと、そう思えるようななによりも感情をゆさぶられるものになっていったのもももクロちゃんがいつも魂をのせて歌を届けてくれたからです。おなじ世界でおなじ時間を生きている人を本気で大切に思って、どうかしあわせになってほしい、夢を叶えてほしい、と思えることも、この子たちに恥ずかしくないように生きたい、ほんのすこしでもこの子たちのように真摯に生きていけたら、と思うことが自分自身の生きていく力になることも、全部ももクロちゃんが教えてくれました。

わたしの人生は、ももクロちゃんが人間にしてくれた人生です。


わたしが現場に行きはじめた当時は「大箱他界」という言葉もたくさん目にするような時期でしたが、はじめてのアイドルオタクだったからというのもあるのかな、わたしはずっとずっと毎日たのしいばかりの日々だったように思います。あのころはよかった、という文言もたくさん見たけれど、わたしは「幕が上がる」のときにもう一度はじまった、と思えたし、2016年のAMARANTHUS/白金の夜明けの世界観がアルバムもツアーともに大好きだったし、杏果ちゃんのソロコンに行ったときに、これからもこの子とずっといっしょに年をかさねていくんだなあと、じゃあいつまでも健康でいなきゃなあと本気で思っていたし、2017年の春の一大事がそれまででいちばん大好きなライブで、これからもずっとこのグループを好きでいられるんだ!の確信が強まっていったオタクでした。


その矢先だったから2018年1月の杏果ちゃん卒業発表の際は死ぬほど悲しくて、でも杏果ちゃんが卒業ライブで「奇跡の五人じゃなかった」と言った瞬間が(それが気遣いから出た言葉だとしても)いちばん悲しくて、もうこんなに悲しい思いをすることはないだろうと思います。


これはそのとき書いたブログで、いま読むと恥ずかしいのですが(というか恥ずかしいので読めないのですが)このときにしか存在しないであろう気持ちだったので、きっと書いておいてよかったんだろうなと思っています。当時ははてなブログでアップしていたのですが、思ったより多くの人に読んでいただけてやさしい気遣いをたくさんいただいて、ありがたかったことをよく覚えています。


その後は杏果ちゃんの応援をすることもできず、割り切って四人のももクロを応援することもできず、五人の映像を見ることもできなくなり、ぼんやりと浮かびつづける亡霊になって終わってしまいました。


  • それがなぜ今年の春一に行ったのか

つい先日、いま応援しているアイドルからおしらせがありました。

えーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ガチじゃねーか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


そんなこんなで福島行きが決まりました!!


(もともとアップされていたライブ予定スケジュールに4/23に東北対バン予定があり、2021年から高橋名人こと高橋さんとご縁がありGIG TAKAHASHI等にも出演させていただけるようになっていたことと日程を照らし合わせると、もしや・・・という空気はあったのですが、いざ実際に情報が出されると大パニックでした)


  • 当日のライブについて

本来のお目当てのきてくんちぇパークステージ出演が朝早いこともあり、前日金曜日に仕事が終わってから東京発のバスに乗り込み、深夜にいわきに到着しホテルで寝るだけ寝て翌日いわき発の始発に乗り込むというオタク・スケジュールでした。

いま応援しているアイドルが「ももクロ大箱の外周ステージに出演する」というのは個人的にずっと夢に見ていたことで、それが叶ったときには四人のももクロのステージをきちんと見る、というのは前々から心に決めていたことでもあって。ただ、やっぱり頭では分かっていても映像では目にしていても、もちろん納得はしていて四人のことを心から応援していて五人に戻ってほしいなんて微塵も思っていなくても、「杏果ちゃんのもういないももクロ」を生で見る、ということは自分にとってとてもおそろしいことでした。買うぞ買うぞって決めていたのに躊躇していたら前売りの販売期間が終わっていて、結局きてくんちぇパークステージを楽しんでから当日券を購入することに(愚か者)。


オタクをしていた当時は友だちがほとんどいない単独行動のオタクで、出店や物販も必要最低限しか行かずライブにさっと行ってさっと帰るのが毎回だったのですが、早めに会場に入ってぼんやり客席を眺めているのは好きだったなあ、とか、いまは席がうしろでもなんとも感じなくなってしまったんだなあとか思いつつ、開演ギリギリにほんとうにいちばんうしろの席に座りました。

このままふんわりとした感慨で終わるのかもしれないな、と思いつつも、ここまでをきちんと追いかけていない人間でも、延期をかさねた今回の春の一大事の開催はみんなが待ち望んでいたことで大事なイベントなんだな、と肌で感じられるような空気にも、ひさびさに浴びたOvertureにも胸が熱くなってしまったし、四人が登場した瞬間、女の子の声にならない叫びがいくつも聞こえてきて、よかったね~~という気持ちでほろほろ泣いてしまいました。一曲めが『デモンストレーション』だったのは、「雨は止んだよ 涙は止まった もう少しだよ」ということなのかなあ、と象徴的なものを感じて、こんなふうに、詞をそのままこの子たち自身の届けたい思いだとまっすぐ受けとめられることが、この子たちのライブのほんとうにすてきなところだよなと昔から変わらずに思います。


布のたっぷりとったスカートの華やかな衣装を身にまとった四人はわたしの見てきた日々から変わらずお姫さまたちで、(テレビなどでもたまに見ていたからもちろんわかってはいたのだけれど)四人ともますます綺麗になっていて、姫ら、立派になられて…とじいやの気持ちで涙がポロポロこぼれたし、風が強い日だったからどこかの曲で風がスカートをめくりあげてしまったときにとっさにスカートをおさえて笑ってた夏菜子ちゃんがかわいくてかわいくて変わらず少女の姿のままで、それにも涙ポロポロになってしまった、そういえばわたしはももクロのライブのたびに泣き腫らしていたな…ということをひさしぶりに思い出しました。


杏果ちゃんの卒業からしっかり追いかけてはいなかったのでわからない曲もありつつ、『PLAY!』は聴けてうれしかった!『笑ー笑』はもう、ほんとうにこの子たちの生き様そのものだよな・・・と涙が出たし、康平さんのピアノ一本での『希望の向こうへ』がすばらしくて、わたしは広い広い野外に響くれにちゃんの歌声がこの世でいちばんうつくしい音と思っているので、あれをあの場所で聴けたのはものすごくよかったな…。


『行く春来る春』と『コノウタ』はわたしのなかで春一曲だから(これは2017が大好きだったからというのがおおきいと思うのですが)、この二曲がほんとうにほんとうにほんとうにうれしかった!

愛すること 信じること
気高いこと 美しいこと
すべてのことが 輝いていた
君から知ったよ
素直なこと 真面目なこと
すがしいこと 正直なこと
すべてのことが とてもまぶしい
君から知ったよ

大好きで大好きで大好きで、一度聴いたときからこれはわたしのあなたへの気持ちだとずっと大切にしていた詞。ドームツアーでとなりの席に入ったフォロワーの方から、「ぐりさんがきみ、という歌詞のところでかならず杏果ちゃんを指さすのが好きです」と言ってもらったことを思い出して、胸がグーっと潰れそうでした。どんなに遠い場所にいてもそうでしかなかった。この日は四人に向かってめいっぱい腕を広げました、それも絶対にうそではないほんとうの気持ちです。


『コノウタ』はトロッコに乗ってしまってすこしだけ残念だったけど、この歌をすこしでも近くで届けようとするももクロちゃんはとてもももクロちゃんだなあと思ったし、『コノウタ』もわたしにとって「君」の歌でしかなかったな…と思ったし、さいごのサビだけ踊ってくれた夏菜子ちゃんの、すこしも変わらない一分の隙のなさを見て、この瞬間がいちばん感動したし、この子たちは変わらないんだな、と感じたかもしれません。

トロッコが中央のほうに寄って歌われていた(気がする)『モノクロデッサン』、サビにさしかかって、「昔好きだったはずの色」という詞を聴いてとっさに思い出したのが杏果ちゃんのことだったとき、また涙がとまらなくなってしまったし、ああこれで全部おわったんだな、と思いました。

当時、いつかだれかのオタクをやめる(やめた)ときが来たとしたら、この詞でギュッとなってしまうんだろうなあ、とぼんやり考えていた詞でした。この日、自分がそれになっていて、「昔好きだった色」じゃなくて、「昔好きだったはずの色」って表現がぴったりで。

指をさす先がいないこと、四人が散らばったときやトロッコに乗っているときどこを見ていいかわからなくて虚空を見つめていたこと、いろんな瞬間にわたしは杏果ちゃん推しだったんだなと思わされて、同時に、この歌は杏果ちゃんがどこのパートを任されていたのかもうわからなくなっているな、と思う瞬間がたくさんあったし、大好きだった『笑顔百景』ももう踊れなくなってしまっていました。それでも、『コノウタ』の杏果ちゃんのパートだけは体が鮮明に覚えていることを身にしみて感じたりもして。

「昔好きだったはずの色」で杏果ちゃんを思い出して泣く未来なんて当時のわたしは微塵も想像していなかっただろうなあ、とも思ったりして、いろんな気持ちがないまぜになっていました。


それでも、ももクロちゃんは「綺麗な色」も「嫌いな色」も、「昔好きだったはずの色」も、「この星と大空を彩る」と歌ってくれるんですよね。もう思い出せなくなってしまったことも、大好きだったはずなのにわすれてしまった全部も、なくなってしまうのではなく、たしかにいまのこの光景をつくってくれた一部なんだよと、そう歌ってくれることはとてもやさしいことだなあ。



規制退場がかかる前に会場をあとにしたので、アンコールさいごの『青春賦』が山々にひびきわたるのを体で浴びながら、景色を見ながら駅に向かっていた時間は、走馬灯のような、エンドロールのようなわすれられない時間でした。これでわたしのももクロちゃんを好きだった、杏果ちゃん推しの日々はこれで完全におわりを迎えたような感覚。

当時東京ドームにはとてもじゃないけど行けなくて断念したのですが、あとで東京ドームのの『青春賦』と『Zの誓い』の映像を見たときに、ああ、杏果ちゃん推しの人間がきちんと成仏できるような場をきちんとあたえてくださっていたのだなとあとから思いました。ものすごく後悔して、それがちいさなトゲのようにずっと抜けていませんでした。だから、ここまでかかってしまったけど、行けてよかった。


うつりかわりのはげしい、年齢の壁が高いとされている女性アイドルの世界で、ももクロちゃんはいまもこうやって活動しつづけていること、それも今回このように(語弊をおそれずに言えば)アクセスの悪い場所でもこんな人数を集めることのできるアイドルであること、わたしの目から見れば一種の「あがり」のように思えます。規模がおおきくありつづけることのできる地位を得たももクロちゃんがそれをどう使うのかと言えば、今回の春の一大事のように、自分たちのファンはもちろん、めぐりめぐってその地域や人の助けにつながるようなことであること、かっこいいなあ、かっこいいアイドルでかっこいい人たちだなあ、と思うし、そう思いつづけています。

ほんとうにひさしぶりにこの目で見た夏菜子ちゃんも詩織ちゃんもあーりんちゃんもれにちゃんも、変わらずわたしのお姫さまで、ずっとわたしの心のなかのお姫さまでありつづけるのだと思います。ずっと笑っていてほしい女の子たちで、その気持ちは変わることがないことをこの日再確認できてよかった。ももクロちゃんからはじまったアイドルオタク人生でほんとうによかった!!


  • 余談


わたしはたぶんひとりではこの場に来ることができていなくて、ここに来ることができたのは、いま応援している二丁目の魁カミングアウトさんが連れてきてくれたからです。

きてくんちぇパークステージの登場の前に、司会の人に「リハーサルを見ましたが、おもしろいアイドルだと思います!」と紹介されていて、たしかにそれも正しくはあるんだけど、ステージを見てくれた人にはひたすらにまっすぐに誰かに届けたくて、真摯にアイドルとしてステージに立っている人たちなんだと、そう伝わったんじゃないかと、信じてやみません。

さまざまなレパートリーの曲をもっている人たちなので、この晴れの大舞台どんな曲をやるんだろうかとどきどきしていたのですが、踊れるセトリを持ってきました!と言って、初見の人でもみんなたのしく踊ってもらえるような5曲でバシンと決めていたこと。

いつもの対バンなどでは、自己紹介はせずMCは挟まず告知もなく曲を詰め込んでライブをすることも多いのですが、この日は全員がフルネームを言って自己紹介をして、丁寧につたわるように、告知の時間をたくさんとってお話しをしていたこと。

いつもは堂々たるリーダーのミキティーさんが、この日の自己紹介と告知ではすこしだけ、言葉をつまらせながら緊張したようすで目の前の人たちに語りかけていたこと。

ライブがはじまる前にも、朝に車で入りをしてきたこの人たちが、すっぴんのまま車の窓を開けて、朝から並んでいた列の前方の人たちに向けて、このあとやるから来てね~!って声をかけていたこと。

列に並んでいるときに聴こえてきたリハーサルで、四曲をほぼほぼフルで歌って、目の前にお客さんがいるのと変わらない歌唱と煽りで、曲中にも自分たちの名前をしっかり入れ込んで、おわりにはしっかり二丁目の魁カミングアウトこのあとライブしますぜひ見に来てね~、とあいさつまで入れて、待機列から拍手が起こっていたこと。

(これは人づてに聞いたことだから言わないほうがよかったらごめんなんだけど)表だって言ってはいないけれど、ももクロちゃんのライブを見学して帰ったらしいこと。


そのどれもが真摯で、それでいてわたしがいままで応援してきた姿そのもので、わたしはこの日ずっとずっとずっと誇らしかった。ここまで応援してきてよかった。ももクロちゃんからはじまったアイドルオタク人生でほんとうによかったし、その先でたどりついたのが二丁目の魁カミングアウトさんでよかったと、心から思います。


この日どうしても聴きたかった『天国のでたらめ』はけっきょく聴けなかったから、またいつかきっとももクロちゃんのライブに足を運ぶことになると思います。その日はまた二丁魁につれていってほしい!

そのためにも高橋名人、またブッキングのほどよろしくお願いいたします!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


全部全部全部にありがとうございました!

おしまい

OS1ゼリー

ぐりという名前です。アイドルオタクの気持ちブログ。

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