すっかり夜も深まったなかのラストの曲、病める時も 健やかなる時も の最後のさいご、ねえめぐりあえたそれだけで、をうたうミキさんの声がどんどん震えていくのがわかって、ハッとしてミキさんを見たら鬼の顔©で涙をぽろぽろこぼしていた。こんなになってしまうのはひさしぶりなんじゃないだろうか。すれちがいざまにマイクを通さずどうした~!とけらけら笑うぺいさんの声が耳に届いて、わたしはそこで泣きそうになってしまった。ここでどうした~、って笑うぺいさん、泣きながら話すミキさんのことばを補うみたいにおだやかにお話ししてくれたぺいさんは、いままでのぺいにゃむにゃむさんを積み重ねた先の「いまのぺいさん」だなあと思う。
昨年の夏はこの先どうなるかわからなくて、先が見えなくて不安で、もうこんなふうに踊ったりうたったりできなくなるんじゃないかと思ってた、今日すごくひさしぶりに会えた人もいると思うし今日来れなかった人もいると思う、会えることは当たり前じゃない、いつもみんなからしあわせをもらっているからこれから先もあたしたちがしあわせをあげられるように、おぼつかない記憶ではあるけどこのようなことをミキさんはお話ししてくれていたように記憶している。それを支えるように、ぺいさんが筆紅に出会えて、この四人で思い出を作っていけるのがうれしいということもお話ししてくれていたかな。ふたりが入って出会えた人もいたから、ということもミキさんが言ってくれていた。
昨年のいまくらいの時期、ミキさんとぺいさんふたりで活動していた時期を話すときミキさんはいつも「宝ものみたいな」って表現をしていて、そのことばにいつわりはないし、でも今日話してくれたような「先が見えない」という感覚もほんとうなんだろう。開かれた場でこの時期のことを話すときには、ミキさんもぺいさんもかならず「でも楽しかった」って締めてくれてたように感じていて、不安だった、という表現は表に出さないようにしていたようにわたしには見えていた。だからこの日、こうやって話してくれたことにすこしだけびっくりしたし、ミキさんがそれを話せるようになった未来にいま立てていてよかった。
このグループをいままで好きでいた人たちが昨年のいまくらいの時期をどう過ごしていたか、どういう気持ちでいたかってきっとたぶんほんとうに人それぞれなんだろう。きっとたぶん、全員がひとことでは表しきれないんじゃないだろうか。すくなくともわたしはそうだしいまだにことばにしてだれかに淀みなく伝わるよう表現しきることはできないな、と思う。
去年はこんな暑くて苦しい季節なんかはやく終わってしまえとずっとずっと考えていたし、夏がいつ終わっていったのかもわからない。今年は船の上で、夏が終わっていくにおいをたしかに感じてまだ終わらないでくれー!!って泣き出しそうになってしまった。あのとき夏が終わる瞬間のまんなかに立っていた。こう思えるいまはなんてしあわせなんだろうか。ミキさんはいつもみんなにしあわせをもらっている、と言っていたけどそれはこちらが言わなければいけないことで、お互いこの先もこう思い合いながら生きてくんだろうな、と何度めかわからないけど思う。
いつも特典会では紅さん(推しメンです)にこちらから一方的に感想をまくしたててしまうんだけど、この日はどうしても今日のライブでどんな光景が見えて、どう感じたのかなってことを聞きたかった。自分が思っていることをその場で満足に伝えられるタイプではないことも重々わかっているのでたぶん聞けないだろうなと思っていた。でも、こちらから聞く前に三原で泣きそうになっちゃいましたきれいで、と教えてくれて、そのことに泣いてしまいそうになった。
客席が海を背にしていたからきっとステージからはいちばんいい景色が見えていて、紅さんが海のほうをうれしそうに眺めていたり、いつも以上にたのしそうに目を細めたりきらきらさせたりしている顔を何度も何度も目にした。夜も深まってペンライトもきらきら光るなかでの三原色カタルシスのファインダーのシーン、紅さんがいますごくいい光景を見ているんだろうな、ってわかる表情をしていたから、わかったよ。わたしは背中のほうに広がる光景は見ることができなかったけど、紅さんの瞳をとおして見ることができたような、そんな気持ちになっていた。これからもそうやって、瞳ごしにいろんな光景を見せてもらえたら、いっしょに見ていけたなら、と思う。
【総括】海って最高〜!!!!!
完!!!!!
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