(2019年10月29日に行われた二丁目の魁カミングアウトさん出演ライブ「アルティメットハロウィン2019」の感想の再掲です。)
記 2019年10月29日
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あめ 15/14.2
雨はあがっていて、渋谷は危惧していたような状況ではなくいつもの渋谷でした。渋谷自体がもともと雑然としすぎているのだなと思いました。
*セットリスト
まるもうけ
耳をすませば
リバ
三原色カタルシス
シワの数だけ被GAY妄想
ボクの夢はお嫁さん
青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ
女性アイドル、男性アイドル混じったサーキットライブで、duo MUSIC EXCHANGEで20:00からの出番、30分尺。時計はきちんと見ていませんでしたが、体感ではほぼ時間どおりでした。
前の組のアイドルさんとの転換の時間がすこし長くとられており、そのあいだにスタッフさんがおそらくステージうしろ側にバミリを貼っていて、なんとなく準備にあまり時間がとれていなかったのかな。
ピンポンパンポンからはじまるぺいさんのアナウンス。ハッピーハロウィン!とのことばがあったかな、羽目をはずしてたのしんでいきましょう、といったような内容だったような。
イントロといっしょにステージ右手側から走りこんでくる三人、「まるもうけ」からスタート。客席のきま〜!の声がとてもおおきい。仮装をしてステージに立つアイドルさんが多いようでしたが、三人は変わらずヒョウの衣装でした。
バックの音がとてもちいさく、というかボーカルと切り離されたように感じるような音響で、すこし不安になってしまいました。心なしかミキさんも冴えない表情に見えましたが、これは主観によるところです。広いステージがより広く感じてしまうような心もとない感覚は、何回体験しても心臓に悪いなと思います。
ことし3月に行われた深夜のアイドルサーキットイベントでは当日に体調不良で白鳥さんがお休みになり、深夜のduo MUSIC EXCHANGEでの出番で歌われた「まるもうけ」では、ミキさんが客席にマイクを向け、白鳥さんが担うおちサビを歌わせるいち場面もありました。だれかにおけるだれかのかわりはいない、と歌われるこの曲を歌わせること、ものすごく「意味」だと感じわすれられない場面なのですが、この日、またフルメンバーで見ることはかなわなかったものの、かわりのいないだれかとしてステージに立つ白鳥さんを見ることができてよかったなあ。
静寂を痛いくらい意識してしまうような音響のなかでも、白鳥さんの歌うおちサビ「つまんない人生送ってきたな」は強くまっすぐで、この日も灯台のようと思う歌唱でした。おそらく万全とはいえない環境のなかでしたので、アカペラのように歌が際立って響いていたのですが、それをきいて歌がうまいなあ、と感動させられること、ひとえに白鳥さんの研鑽の賜物で、地力のすばらしさと思います。
「耳をすませば」が二曲めにきて、なんとなく最近は「耳をすませば」はじまりでないライブのセットリストを意識してつくっているのかなと感じました。
つづく「リバ」もなんとなく不安な気持ちで見てしまいましたが、二番「だって得意げに好きな事〜」からはじまるミキさんパート、ミキさんってなんて上品なつやがあって広がりのある歌声なんだろう、とゾクゾクしました、これも歌が前に出てしまうような音響のなかだからこそ強く感じられたことで、逆境を武器にしてしまえる人たちは強い。この曲のサビはミキさん・白鳥さんとぺいさん・きまるさんのペアで歌のパートが割り振られている曲なので、きまるさんがお休みのいまはぺいさんひとりで歌うパートがかなり目立つ(おちサビから最後のサビは息つくひまもなくぺいさんパートからのぺいさんパートなので、かなり大変なのではないかな)のですが、この日だれよりも力づよい歌唱で心づよかったです。
最後のサビ、なんとなく白鳥さんやりづらそうかなと思うようなしぐさを見たような気がします。歌のパートわけと同じようにこの曲は振り付けも二対二でわかれる箇所が多いですが、前回前々回くらいからなのかな、最後のサビはうごきを三人で揃えるようになるの、とても好きだしいまの状況に応じたすばらしいブラッシュアップと思います。
「三原色カタルシス」、「シワの数だけ被GAY妄想」あたりではすっかりたのしむモードになれていたように思うので、いいライブをする人たちだなあと思います。「アイドルもお宅もそれなりに」、「お宅」で客席を手でさししめす白鳥さんのモーションが好きだなあと思います、表情も花ひらくようでまぶしくて、なんだか勝手に「対話」を感じる瞬間です。
最後に客席にむけて手を振る三人、これで大団円でおわりかなと思っていたら、ねむるポーズで「ボクの夢はお嫁さん」!うれしかったです。この曲も基本的に二対二で構成されており、なおかつ四人でひとつであること、これからも四人であること、を強くしめすような曲なので、きまるさんの不在をより色濃く感じさせるものでもありますが、わたしは希望的に感じる光景だなと思っているので、外のイベントでやることをえらんでくれるのはとてもうれしい。
「こどもなの?オトナなの?」で本来はこどものふたり・オトナのふたりがそれぞれポーズを決めるところは、三人ではこどもがひとりとオトナがひとり、それに第三者てきにひとり、という構成になっていて、おなじようにラップバトルのシーンは二対二のバトルから一対一のタイマンバトルにレフェリー、という構図になっています。いまこの状況でフルに魅せることをかんがえていることがわかるような変更で、すばらしいなあと思います。
「永くて短い人生でひとつくらい 死ぬほど大切な人や夢を 見つけられると思っていた」白鳥さんの歌唱は、いつでもまぶしいなあと感じます。歌にまぶしい、という形容はほんとうはおかしいのかもしれませんが。すこしがなるような歌いかたが力づよくてかっこよかった!
これで大団円でおわり!と思ったら「青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ」!やったー!こんなたくさん曲をきけるなんて思ってなかったのでうれしい、というよりびっくりしました!この曲はこの日の音響の、バックの音がむこうがわにおいていかれてしまっている感、がこの歌ではかなり顕著で、でもやっぱり、三人とも三人だけのうつくしい歌声をしていて、歌がうまくて、ことばを真摯にとどけられる人たちだなあと、素敵だなあという気持ちが強くありました。
終始やりづらそうと思ってしまったステージだったのですが、最後までやり抜く三人、歌の力で逆境も武器にしてしまえるようなこの人たちはとてもとてもかっこいいなあと思いました。
これからのイベントの告知、新規のかた向けへの案内をして〆、「二丁目の魁カミングアウトでした!ハッピーハロウィーン!」ハッピーハロウィン!
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場所をうつして、o-nestでの特典会では仮装した三人が登場していました。ミキさんはロトでぺいさんはピンクのレディース、白鳥さんは和装につのでふわふわの髪の毛でかわいい(羊らしいです)。全員個人プレー!そういえばハロウィンだな…とここでかなり肩身狭い思いでした。
環境の悪さ、というのも観客側の主観でしかないのでむずかしいところではあるし、ほんとうによろしくない環境だったとしてもだれが悪いかというのはまったくわかりませんが、はじめて見た人にもしかしたらこんなものかと思われてしまう可能性があるとしたらものすごくこわいし悔しいなと思いました、ステージがわたしのアイドルたちが力をだしきれる場所であってほしいなと思います。でも、わたしの好きな人たちはどんなときもそのときの最善を見せてくれる人たちで、そういう人たちのファンでいられてたのしいしうれしいです。
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