ニューヨーク演じる男性二人は、お笑いが好きだという相手の女性に好かれるために、「いわゆる」と枕詞がついてしまいそうなネタを次々と繰り出していく。その「お笑い」がつまらなければつまらないほど、その滑稽さに会場は笑いにつつまれる。その逆転の仕組みがものすごくおもしろいなあと思ったし、わたしの人生の最初にもだれかが大声でコント!アイドルオタク!ってタイトルコールをしてくれればいいのにと思った。
「This is not the Parallel World」は一行だけでミキさんの詞のようだと思った。
昨年12月にきまるさんがグループを脱退したこと、二丁目の魁カミングアウトは3人になったこと。今年の6月には白鳥さんがアイドルとしての活動を終了したこと、二丁目の魁カミングアウトは2人になったこと。二丁目の魁カミングアウトは続いていくけれど、この4人が「二丁目の魁カミングアウト」ではなりえなくなるということ。そのどれもが悪い夢でもなくて、「もしも」のできごとではなく、「もしも」と願う平行世界もなく、現実だということ。
一方で、ミキさんとぺいさんが二丁目の魁カミングアウトでありつづけてくれたこと。2人の新メンバーの加入が決まり、4人での二丁目の魁カミングアウトがこの日からはじまっていくこと。きまるさんが二丁目の魁カミングアウトであったこと。白鳥さんが二丁目の魁カミングアウトであったこと。どれもパラレルワールドのできごとなんかではなく、現実のできごとだということ。
そういった全てが真実ということ、を噛み締めるようなタイトルと思った。
11月11日は気持ちのいい秋晴れの日で、門出の日にぴったりでうれしくなった!
定刻をすこし押してはじまった配信は、新メンバー2人のオーディション時の映像から幕を開けた。筆村栄心さんの緊張している姿には、緊張しているこちらまでがんばれ、と拳を握ってしまった。新メンバー加入のお知らせの際、ミキさんの言葉のなかで、日が紅さんは正直自分のなかではっきりと答えが出ていないから、ミキティーさんの夢をききたい、と質問を受けた、ということが書いてあり、文章だけを読んだときにはピリッとした印象を受けた。が、実際にお話しをされているのを映像で見るととてもやわらかい雰囲気の人だったので、ここを映像で見ることができてよかったなと思ったし、ここを見せたかったのだろうな、と思う。ミキさんに沖縄の言葉であいさつをして、と無茶ぶりをされていたときに率先して立ち上がっていたのがかわいらしくて印象的だった。ミキさんとぺいさんのトークショー内で、「新メンバーふたりは黒豹とコアラ」「辻加護というよりはいしよし」との前情報があり、新メンバーの写真が出た時点で紅さんが黒豹でよっすぃー、栄心さんがコアラで梨華ちゃんだ、とばかり思っていたので、紅さんのかわいらしさを受けて、きみのほうが梨華ちゃんだったんかい!!と大声で叫んでしまいそうになった。
ミキさんはミキさんが自称するとおりに、オーディションの際は声の低い大男だったので若干怖かった。
「いつも」とおなじように、ぺいさんの影ナレからはじまるこの時間がうれしかった。
ぺいさんが言葉を噛んでしまったおかげでふっと笑えて、はりつめたような気持ちが緩んで楽しもう!という気持ちになれたので、ありがとうという気持ちです。
ライブはびっくりするくらいにあっという間に終わった。
当たり前かもしれないけど、2人と4人ではまったく違った。新メンバーの2人もステージに立ってきた人なんだな、と思ったし、ミキさんとぺいさんはそれ以上にステージに立ち続けてきた人なんだと思った。わたしは2人の活動の期間の曲をうまく聴けなかった側の人間だけど、パラレルヤワールドでミキさんが「僕を騙して」と歌うこととぺいさんが「僕は騙されない」と歌うことがとても好きだった。青春は何度でもやり直せるなんて嘘だのイントロが流れた瞬間に、アイソトープラウンジの照明のまぶしさが鮮烈に目の前にあらわれたみたいに思えた。リバでぺいさんが持ち上がった瞬間に涙がでた。4人のGAY STARだった。あたらしい衣装の袖のふくらみや、ドレスのように光を照りかえす裾が好きだと思った。この衣装だと、栄心さんは白魔道士みたいで紅さんは黒魔道士みたいだと思った。ミキぺいの歌がじょうずすぎて笑ってしまった。歌割りはやはりきまるさん、白鳥さんのパートが新メンバーのふたりに割り振られているところが多かったけれど、きまるさんが歌っていた「君の♡も毎日届くよ」は、3人体制時ではぺいさんが歌っていて、そしてそれはぺいさんが受け継いでいた。意味だ、と思って胸が苦しくなった。ぺいさんはいつだってかっこいい。栄心さんはなんでこんなにも、がんばれ、って願わせてしまうような力があるのだろうと思った。言葉を丁寧に丁寧に選んでいることが伝わるような話しかただと思った。紅さんがにこにこ笑っているとうれしい気持ちになってしまうなとたくさんたくさん思った、孫だ。日が紅ってなんて名前なんだ、とあらためて思った。がんばれ、がんばれってたくさん思っていたから、紅さんがあいさつで、画面の向こう側でがんばれって言ってくれている気がして、と話してくれたときうれしかった。4人のユニゾンがとてもきれいだと思った。栄心さんと紅さん2人の姿を見て、きまるさんと白鳥さんに似ているとは思わなかったけど、栄心さんはきまるさんに、紅さんは白鳥さんに声質がどこか似ていた。ミキさんの求める「二丁目の魁カミングアウトの歌声」はきっと揺るぎないのだと思った。ミキさんがうれしそうでうれしそうで、ミキさんがうれしそうならそれでいいよと思った。
続けてくれてありがとうと、入ってくれてありがとうしかないと思った。未来だと思った。はじめて見るのに、わたしの大好きな二丁目の魁カミングアウトだった。
いただいた名前のとおりに、ずっとみなさんに光が差すような 日が暮れないようなアイドル活動を、と一言一言大切に話してくれた紅さんはやわらかく眩しくて、なんだかそれがほんとうになることが信じてしまえるような気持ちになれて、それがすごくうれしかった。栄心さんは声優さんとして活動をされていて、きっとアイドルになるにあたり別の名前を決める選択肢もあったと思うのだけど、「筆村栄心」のままメンバーになることを決めてくれた。わたしは、栄心さんをずっと応援してきたファンのかたがどういう気持ちでいるのかあずかり知ることはできないけど、どの立場からの発言?というかんじだけど、栄心さんが栄心さんのままでいることを選んでくれたことに、ありがとう、とすごくすごく思う。見知らぬファンの人たちに(応援ができても、できなくても)しあわせになろうね、なってねという気持ちになってしまう。
その名前をうけとってくれたことも、そのままの名前でいることを選んでくれたことも、わたしはどちらも希望って呼びたい。わたしはきっとこのふたりの名前に、勝手に救われつづけていくのだと思う。
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OP(オーディション映像~オープニング)
S1 パラレルヤワールド
S2 耳をすませば
S3 リバ
S4 青春は何度でもやり直せるなんて嘘だ
MC
S5 GAY STAR
S6 まるもうけ
S7 シワの数だけ被GAY妄想
MC
S8 今も尚
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